熊本ダンス & フィットネス スタジオZEN
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Special対談(PEET × J’8 × ZORA)


GET UP!! Vol.3の一つの目玉であるゲストショウの皆さまの
Special対談!! 当時の様子がうかがえる貴重で面白い対談です!
少し長めですが最後まで是非読んでください!!



J’8)
 ダンスとの最初の出会いって何だったんですか?

PEET) 最初はマイケルジャクソン。
     ただただカッコいい。要は芸能人で
     「顔がカッコいい。ステキ!!レコード買いに行こう。ブロマイド買いに行こう」
     みたいな((笑))そのころはブロマイドだからね!

J’8) 入口ですもんね。みんな、「なんかカッコいい」みたいな

PEET) 髪型、格好、靴とか踊りがとかじゃなくて、あの何とも言えないマイケルの歌と、
     音と踊りのセットがなんかムズムズした。

J’8 )感じ取ったんですね。フィーリングというか、そういうやつを。

PEET) カッコいいものをマネする。それは何でか?モテたいから(笑)
    俺がブレイクダンスをやるきっかけはロックイットが先なんだけど
    ダンスを含めたトータルで音と踊りを感じたのはマイケルジャクソンが最初だった。
    踊りも何もわからず。「Beat It」とかを聞いて、訳もわからず雰囲気を感じて踊ってた。

ZORA) 映像はその時見れてたんですか?

PEET) ベストヒットUSAでやってた。
    あれで「Thriller」も見たし「Beat It」とかそういう
    マイケルのダンスは見てた。音と踊りがセットで{ガンッ」って。
    その雰囲気でレコード聞きながらやってたから知らん人からしたら
     かなりキモかったと思うけど(笑)

J’8) (笑) 入口はみんな表面的ですね。

PEET) そう!入口は表面的!

どん) ZORAさんは?

ZORA) 俺は高校生活がすることが無くて、そのころTVでダンス甲子園があってたから、
     SUJIとダンスしようか?みたいな。

PEET) もう「ダンス」だもんな。

ZORA) はい。もうシーンが出来上がってましたね。

J’8)PEETさんは最初ブレイキンのイメージが強かったですよね。

PEET) やったらできたから、割と早く。(笑)

どん)その時はまだ広島だったんですか?

PEET) もちろん。
     広島で段々と本格的にダンスを始めていったけど、ダンススタジオが
     あったわけじゃなかったからディスコ行ってダンスを習おうとして
     踊ってる人に、教えてください!って言うけど
     ダンスは盗むもんだ!見たいな感じだった(笑)
     メロンソーダを飲みながら上手く踊っている人たちをジーっと見て。
     それを家で練習してた。
     ある時、映画の中にも中々出てこないくらいバックスピンが早くなったわけよ。
     これはイケるなと思って、日曜日に平和公園でストリートやってたから、
     そこに超スピーディーなバックスピンっていう武器をもって乗り込んだの。
     ずっと見て盗んだやつを家帰って練習したのを見せるために。
     「俺凄くなりました!」っていう。
     で、そこに行ったら「お前よくメロンソーダ飲みながらディスコ来てるやつだね。
     輪っかにでてみろよ」
     って言われて「キターッ!!」って(笑)
     バックスピンやったら、「おー!!」って歓声が上がってフリーズ決めたら
    「すげぇじゃん!」みたいな感じになって
     3チームくらいから入れよって誘われた。

J’8 )その当時、バックスピンしてフリーズまで決めるってあんまりいなかったでしょ?

PEET) バックスピンできる人はいたんだけどスピードが「シュー」くらい。
     俺のは音が違う(笑)
     それで「オゾニックピーファンク」っていうチームに入るわけね。
     そうやってた流れでガキだった俺らに「今度福岡でBe Bop Crew主催の
     コンテストがあるけんでてみんか?」って
     言ってくれて、九州に行ったわけよ。
     そこで、Be Bop Crewのショーを見て衝撃を受けて
     「このチーム入りたい!」って思って高校卒業して福岡に行くわけ。

どん) 「入りたい!」と思ったんですね。「入れるな」みたいな感覚ってあったんですか?

PEET) 16歳で入れるか分からなかったけど、「入りたい!」が先だった。

どん) 憧れて行ったみたいな?

PEET) そう。だから、オーディションがあるかとか、どうやったら
     入れるのかとか、そういうのは一切考えてなかった。
     なんとかなる、みたいな。
     Be Bop Crewに入りたいがために、勉強して福岡の大学に入るっていう(笑)

J’8) すごい!ダンスの力ですね(笑)素晴らしいです。

PEET) それでBe Bop Crewに入りたいです!って言いに福岡に行ったら
     佐久間さんが「ごめんなPEET。解散したわ」って(笑)
     「え~~!?!?」って(笑)

J’8) ちょうど解散したその時に行ったんですね。。

PEET) そう。僕、受験もしたんですけど。。。って(笑)
     どういう事ですかって聞いたら
     「色々な理由があって解散して、今はインペリアルしかないけん
     お前インペリアル入れ」って言われて入った。
     3年近く毎週のように九州各地に営業に行ってたけど学生だったし、
     理由があって辞めて1人でいる所をSEIJIさんに声かけてもらって。
     「お前これから1人でやってくの?俺と一緒にやらんか?」って。
     俺は、「え、俺なんかでいいんですか?YOSHIBOWとSEIJIさんの
     SEIJIさんですよね?」みたいな。
     それが後のワイルドクルー。

J’8) すげぇ。

PEET) その当時、SEIJIさんはトニーゴーゴーとYOSHIBOWと
     ロッカーズをやってたけど、フュージョンをやりたかった。
     技ものもB-boyもLOCKもPOPもSOULも全部混ぜた新しいスタイルを
     やりたいっていうのがあって。
     俺はその時の実験材料だった(笑)

J’8) 俺が始める前の話ですね。

PEET) 多分、その時からもうすんげぇフュージョンやってると思う。
     ニュージャックスイングとロックをまぜて、それにアクロバット
     ガンガン入れて日本では誰もやったことないスタイルでやってる。

J’8) ブレイキンもやってますよね。

PEET) そのワイルドクルーが今のBe Bop Crewに繋がるんだけど、
     SEIJIさんと2人でやってたから九州中から仕事がどんどん来るわけよ。
     そこにYOSHIBOWが来だして3人でワイルドクルーをやりだしたの。

J’8) 3人ではどのくらいの期間活動してたんですか?

PEET) そんなにはやってない。
     他の人もいたし、まったくの3人じゃなかった。
     それでどんどん仕事やってたら、色んな人が僕も私もってなってきた。
     だったらBe Bop Crew再結成してもいいんじゃね?ってなったわけ。

J’8) んんん~年表つくらないと(笑)

PEET) 歴史変わってるからね(笑)
     それからのハートブレイカーとかになってくるから混ぜ物が
     ダンスなんだってなっていく。

どん) そこから福岡で活動して広島に戻ったタイミングは?

PEET) やりすぎて足を怪我したんだよね。
     「踊れない=お金ない」でどうしようもなかった。
     足が治ったら福岡に戻ろうっていうつもりで手術をしに広島に帰った。
     前十字靭帯ってところの重い手術だったから
     リハビリに1年くらいかかってプロダンサーとしては復活が難しいって言われた。
     広島でリハビリしてたタイミングでZORAが
     Be Bop Crewの俺を追いかけて福岡に来たのに俺がいないっていう(笑)

どん) 言ってましたね(笑)

PEET) それでZORAが広島に来た。
     ZORAも含めて俺を求めて広島に来た人が何人かいたから、
     じゃあ広島で活動してみるのもいいんじゃねってなって広島でやり始めた。
     足の調子が良くなったら福岡に帰ろうと思ってたんだけど帰るタイミングを失った(笑)
どん) 「後輩の為に」みたいな感じだったんですね

PEET) そう!なにか広島の為にもなるんじゃないかなって。

ZORA) ダンスを始めた高校生の頃は
     ビデオでしかBe Bop Crewの映像は見れなくて
     その中でもPEETさんだけが何か違って見えて。
     やっと生で見れるタイミングがあって、J’8さんとか
     小原さんに福岡に連れて行ってもらって。
     Be Bop Crewのメンバーはもちろん皆カッコいいんですけど
     やっぱりPEETさんだけが違うんですよ。
     それからもう徹底的にPEETさんのビデオを色んなひとから
      貸してもらって、すっかりはまって。
     でもPEETさんが怪我で踊れなくなったって風の噂で
     聞いて「俺の目標が!!」って。

PEET) ショックやな(笑)

ZORA) その後YUKIさんが福岡でショーをするからみんなで行こうって
     J’8さんと小原さんとかと行ったらYUKIさんとPEETさんが踊ってた。

PEET) YUKIちゃん、GOGO brother’s 俺、TONY GOGOかな。
     ロッカーズでショーしたとき。

ZORA) その時の帰り道でどうしてもPEETさんと連絡先を交換したかったから
     先輩2人にお願いして福岡まで戻ったらたまたま元BBCの方がいてPEETさんの
     居場所を聞いたら打ち上げしてるお店まで連れて行ってくれたんですよ。
     それで無事連絡先を交換できました。

PEET) (笑)すごいねそれ(笑)

ZORA) その後レッスンしてる場所を教えてもらえて。
     それから広島のレッスンに通って高校卒業して
     デザインの専門学校行ってたんだけど
     今のこの情熱の間にPEETさんのところに行かないと
     専門学校の2年間は長すぎて待てない!
     と思って両親に散々反対されたんだけど俺は
     「今しかないから」って学校辞めて広島に引っ越した。

どん) PEETさんの為に!

PEET) ZORAの親御さんからしたら「クソPEET」やな(笑)

どん) でもPEETさんもダンスするために福岡ですからね!

PEET) 俺の親は福岡の大学に行きたいって言った時に
     「ダンスの為に行きたいんだろ?」って言われて
     「じゃあ大学のお金は出してやる。だからちゃんと合格しろ!」って
     言ってくれたけん、短い期間だったけど本当に死ぬ気で勉強した!!
     有名なところではないけどちゃんと合格したからね!

どん) ダンスの為っていう熱量がにてますね

ZORA) 引っ越しの時、どんな場所に行くのか、PEETさんが
     どんな人かっていうのを見るために親が一緒に挨拶しに
     広島にきたんだけど、「踊れなくなったらどうしていくの?」って
     PEETさんに質問したらPEETさんが「今までダンスを
     これだけ一生懸命してきたから、もし何かで
     踊れなくなっても同じような気持ちで仕事をやれる自信があります。」って
     言ったその時のPEETさんの影響が今もブレてないです。

PEET) すげぇな(笑)

J’8) 愛が凄い(笑)ダンスは愛ですね!!

どん) そういう絆の強さっていうのはダンス独特のものがありますよね。

PEET) 時代もあるよね。そういう中でも自分の中で濃い部分は見つけていかんといかんのよね。
     表面的な部分で終わっちゃわないように。

どん) 今は何のために踊るとか考えたりしますか?どう思って踊ることが多いですか?

PEET) 今の時代に合った深いものを伝えないといけんと思ってる。
     俺らがこんだけ膨大に経験してきたアナログな部分を
     レッスンでも普段でも今に合った伝え方を探してる感じかな。
     でも真ん中の「ダンスが好き、ダンスを一生懸命練習して表現しなきゃいけないんだ」
     っていう部分はブレてない。そこだけはどんなに古いって言われようが
     「ブレませんよ!」って。

ZORA) 俺は今はダンスを仕事にはしてないけど、デザインとダンスカルチャーをつなげて考えて、
     ピースな感じでPEETさんや色んな人に恩返しとしてダンスとデザインを使いたいなと思ってる。

どん) 今回の「GET UP!! Vol.3」でPEETさん、J’8さん、ZORAさんっていうメンバーで
     踊って頂くんですけど、どういうショーになりますか?



PEET)
来年50歳になるけど「若いやつらに負けないくらい踊って、
     イケてる親父を表現しようぜ」って言うのが最初。
     せっかくZENでWSをやってるんだから、ZENの発表会でイケてる姿を魅せて、
     「かっこ良かった!WS受けたい!」
     っていう風に思ってもらわないとゲスト出演単発で終わったら縁にならないから。
     そう言った意味で、ZENとつなげさせてもらいましょうかっていう。

J’8) 本当に「繋がり」ですね。
   PEETさんは常に進化してるから。
   だから俺も進化したいなってとこでPEETさんとこうやれてるのもすごい勉強になる。
   あとは広島ともつながってみたい!!
   ダンスだけじゃない文化というか、広がり方が広島はすごいっていうのが昔からあって。
   HIPHOPのTAKAさんとBe Bop CrewのPEETさんが一緒になってやるっていうのが、
   昔では考えられなかった。

PEET) ジャンルにこだわってるけどジャンルにこだわってない

J’8 )そうなんですよね!!そこが根本的にある。

PEET) 俺もBe Bop Crewも本当にそうだなと思うわけ。

J’8) 「”◯◯”ダンサー」じゃなく「”ダンサー”」ですもんね。
   俺もそういう踊りが好きですし。

PEET) 最近はジャンルでダンスを見てるからね。「iphoneですか?Xperiaですか?」みたいな。
     「でも同じ電話だよ」って言う事を伝えんといかんし、
     けど、「エアードロップはできんのよ」っていうのも伝えんといかんけんジャンルも言うんよ。

どん) 「HIPHOPです」とか「LOCKです」とかって分けてる子が多くなってるから。

ZORA) DEE LITEもなんでもやってましたもんね。

PEET) その何でもやってたチームのSUJIとかが
     日本一の”タップ”ダンサーって言われるのも「タップ」だけが凄かったわけじゃないからね。
     あいつの”ダンサー”としての才能があった上に”タップ”が付いた。
     ジャンルがあとから来ただけ。

J’8) みんな入口は薄いけど、だんだん濃くなっていってるんだよね。
   PO→もアフリカンでめちゃめちゃ濃い方に行ったし。

PEET) 面白いねDEELITEは(笑)

J’8) そうなんですよ!自分でも思うんですよね(笑)
   だから、結構生徒にも言うんですけど
   「ジャンルにこだわらず、音楽のリズムを使って踊ると他のダンスの凄さがわかる!
   ダンスは音楽を表現するものだからリズムを知らないと音を奏でる人と何の話もできないし
   表現の幅が広がらない!」っていう部分で音楽から広がっていく根本的な部分を伝えてます。


大好きなダンスを通じて様々な人や機会と出会い、
30年以上経った今もその縁を大切につなげていく。

一つの事をやり通し、信じ切る大事さを感じられる素晴らしい対談でした!!
移り変わりが早く、目まぐるしく変化する毎日ですが、”ブレずに”貫いていこう!!